遺伝子量生物学研究室、佐々木研へようこそ!
研究概要
ゲノムには生命の設計図がコードされており、ゲノム情報は、通常、厳密に維持されています。しかし、がん細胞では、ゲノム安定性維持機構が破綻することにより、点変異などのスモールスケールの変化から、染色体領域の欠失や増幅といったラージスケールの変化まで、多種多様なゲノム変化が生じています。これまでの研究では、染色体上で起こる変化が主に調べられてきましたが、実は、がん細胞では染色体の一部が環状化した「染色体外DNA(extrachromosomal DNA [ecDNA])」が蓄積されています。驚くべきことに、ecDNAはがん細胞株の約4割、がん患者検体の約2割で発見されており、がん遺伝子、抗がん剤耐性遺伝子、遺伝子発現調節領域、免疫調節遺伝子などを含むことが報告されています。また、ecDNA上の遺伝子は、染色体上にあるときよりも過剰に発現しやすくなるなど、染色体とは異なる性質を獲得し、細胞のがん化、がんの悪性化、治療抵抗性などの予後不良に大きく寄与することが明らかとなってきました。私の研究室では
「ecDNAはどのような分子メカニズムで生成され、維持されるのか?」
「ecDNAは細胞機能にどのようなインパクトを与えるのか?」
について解明することを目指しています。また、正常細胞や他の生物においてもecDNA以外の環状DNAが観察されていることから、環状DNAは生命活動に必須なシステムを担っているのではないかと考えています。そこで、これらの環状DNAについても研究を行い、「環状DNA生物学」を創成することを目指しています。詳しい研究内容については、研究内容をご覧ください。
ラボおよびPIについて
2025年6月30日に、一般財団法人バイオインダストリー協会主催の「宮田 満のバイオ・アメイジング~緊急対談 バイオのあの話題はこれからどうなる?!」に出演しました。「がんと老化と結ぶ、大発見!!がん細胞に見られる「環状DNA」が作り出される仕組みを解明」というタイトルで、がん研究分野で注目されている染色体外DNA (ecDNA)や出芽酵母を用いた環状DNA研究についてお話ししました。対談動画はYouTubeで公開中です。リンクよりご覧いただけます。
教員インタビューが公開されました。興味のある方はこちらへ。
2025月4月19日遺伝研大学院一日体験会が行われます。興味のあるかたは、ぜひご参加ください。
詳しくはこちらへ。遺伝研では定期的に体験入学を受け付けています。ご興味のある方はご連絡ください。
誰にでもわかるラボの研究紹介動画です。
こちらのページから研究活動の紹介動画をクリックしてご覧ください。
大学院生とポスドクを募集中
一緒に研究に取り組んでいただける大学院生とポスドクを募集しています。当研究室では、総合研究大学院大学・遺伝学コース(https://www.nig.ac.jp/nig/ja/phd-program/main-page-top/main-page)の学生を受け入れています。大学院生としての入学をご希望の方は、ぜひ体験入学に来てラボでの研究生活を体験してください(体験入学についてはこちらを御覧ください)。
ポスドクについても、国立遺伝学研究所博士研究員や日本学術振興会特別研究員も歓迎しています。興味を持っていただける方は佐々木までご連絡ください。